■戒名(法名)の意義と死後の歩み

『戒名』または『法名』とは本来、通夜・葬儀を通して仏教徒としての戒律と引導をお授けした証として導師(住職)が故人に授与するお名前をいいます。
一般的には3つの位があり、位と字数によって(院号)(道号)(法号)(位号)の4つないしは3つの節に分けられます。

院号や道号には故人の性格や人柄、趣味や嗜みなどに相応しい字をあて、法号には俗名から1字当てられるのが一般的となります。
よく聞かれることに、全ての字が戒名と思われがちですが、法号部分の2字が戒名にあたります。

さて、故人は通夜葬儀が行われる前に納棺に際し洗い清められ、地域によって作法や副葬物が違ってきますが、一般的には死装束に着替え、小手・脚絆・草鞋を身につけ、旅の身支度をします。
これは死後、仏弟子となり出家し三十三回忌までの32年間をかけて、13もの仏様をお参りするお遍路の修行の旅に出るといわれます。

真言宗の場合、大日如来から始まり、大日如来の教えは代々弟子に受け継がれ、その直系八代目となった弘法大師空海上人から真言宗各総本山の化主猊下へ時とともに受け継がれ、本山の阿闍梨(あじゃり)より伝授され菩提寺の住職へ、そして住職よりその大日如来の教えを伝授された正当な弟子としての血筋は血脈(けちみゃく)とよばれ、故人へ仏弟子(僧侶)かつ戒名を授與された菩提寺住職の弟子としての身を証明する大切なお名前となります。

戒名にはいくつか位があり、位が高いものであればあるほど、浄土の世界において、本尊様のお膝元近くのより貴い世界に導かれるという、一つの目安になると言われています。この貴い仏界を上品(じょうぼん)、逆により低い世界を下品(げぼん)といい、上品と下品との間には九品(くほん)とよばれる、九つの世界があると言われています。

死後、生前の罪業や信仰心、菩提寺の興隆等に故人がいかに寄与し貢献していたか、また死後中陰の期間に遺族がいかに故人の供養を行ったかという態度も査証にかけられるとされ、最後に授けられた戒名の位をもって総合的に評価され、9つある仏界のいずれかに行方が決まると言われます。

私たちは古よりご先祖さまがあったからこそ生まれ、生かされ、その故人の恩徳に対し遺族が謝徳の念を持つのは当然であることでしょう。ご先祖様のうちお一人でも欠けていたならば、今在る自分自身も存在し得なかったことになるのです。

だからこそ、故人の恩徳を讃えより上品の世界へ往生して頂くために、喪主自らができる最大限の供養を行うことが古来より教え諭されているのは、このような理由があるためです。

智運庵では戒名をご希望の方に法名授与も行っております。(過去の宗派は問いません。ただし下記の注意にあるとおり、条件がございます。)
諸事情または経済的な事情があり、せめて戒名だけでも希望されたい方などへも戒名授与のみの対応も行っております。詳しくはお問合せフォームよりご相談ください。

なお、当庵でお授けする法名は真言宗式となります。

戒名授与後、後日『血脈』と簡単な解説書を郵送にてお送り致します。送料は当庵にて負担いたします。

ご注意!

●菩提寺のある方は寺院・個人間の問題となるため対応しておりませんのでご注意ください。
(菩提寺御住職様の許可等を得ている場合を除く)

原則として、戒名授與後も将来的に菩提寺を求める意思や予定のない方、今後のご供養は当庵に依頼される予定の方のみに限らせていただきます。

理由として、当庵で戒名をお授けされたあと他の寺院に菩提寺を求める(入檀する)際にお断りされる場合や、入檀を希望する寺院にて葬儀・戒名等の付け直し法要が必要となる場合があり、その際に改めて葬儀料・戒名料が必要となる場合があります。

そのため、将来的にしでも当庵以外の寺院に菩提寺を求める可能性がある場合には俗名でのお勤めをおすすめ致します。(上記承諾の場合を除く。)

なお、初回は事前に承諾・受付書に捺印を頂きます。なお捺印後において万一、何らかのトラブル等が発生した場合、一切の返金および責任を負うことはできませんのでご注意ください。

お布施

法名授与のお布施につきましては、下記の金額にてお願いしております。