近年、日本のインターネット普及率は80%にも及び、インターネット経由でのお葬式の依頼が今や主流になりつつあることを実感します。
大型スーパーやモール台頭により商店街の個人商店が姿を消したように、インターネットを使いこなす大手会社や僧侶派遣会社が、大資本をもって広告に大金をかけ、これまでの街の葬儀社様が吸収されていくのも時代の流れなのかもしれません。
しかしながら、お葬式はお魚やお野菜といった商品ではありません。
様々なお葬式プランが出ようとも、大切な故人様を真心こめて皆で見送り、残された者が新たな日々を歩んでいくための古より神聖な儀式とされてきました。また、ひと世代前のお葬式と言えば、何より大切な仏様や故人様に手を合わせ、人は死んだら終わりではないという感謝を伝える心も教えられてきました。お葬式となればお付き合いのあるお寺や神社に頼むことが当然の時代であり、お寺とその手伝いを請け負った近隣近所人々や葬儀社様が中心となって運営し、生涯最期のお別れとして大々的かつしめやかにお送りしてきました。
しかし時は流れ、核家族化が進み、日常生活の中で神仏のみだけでなく、一族のご先祖様にさえも手を合わせる機会もめっきり減ってしまいました。その影響からか、葬儀に対する認識も「故人様を仏の世界にお送りし、今ある自分の存在へのご縁の有難さを頂く感謝の儀式」から「とりあえずお葬式はすればいい、と言う単なる形式的なもの」に変化してきているよう思います。
日本人にあったはずの神仏と先祖を敬う心が将来消えてしまう危惧だけでなく、とにかく利便性を求めるばかりの世の中になっていくことで、そこに目を付けた利益追求だけの企業がますます台頭することで、本来の葬儀の意味が崩壊し、利便性と金銭的問題の影で最も大切にするべき故人がおざなりにならぬ事を願うばかりであります。
このような時代の移り変わりの波と人々の認識の変化によって、上記のようなウェブからの葬儀依頼がますます主流となり、葬儀本来の「真心の儀式」から「金儲けに利用する儀式」へと利用されているのではないかと疑われる状況が発生しています。
とりわけ大手有名企業が葬儀業界へ新規参入し、又、投資会社が葬儀仲介会社に莫大な資金を提供していると聞きます。
それは何故か?はっきりと言ってしまえば葬儀はビジネス的に儲かるからでしょう。
日本のお葬式のほとんどが仏式であり、仏教離れが進んでいる現代においても、家族が亡くなった際には、小さくてもとにかくお葬式はしなければと思われる方が多く、そこに目を付けた今の葬儀事情があるわけです。僧侶としても看過することは出来ない処まで来ています。
従来は『依頼者⇒お寺⇒葬儀社』あるいは『依頼者⇒葬儀社⇒お寺』というシンプルな流れでしたが、『依頼者⇒葬儀仲介僧侶派遣会社(ネット)⇒葬儀社および僧侶』というように、依頼者と施行者の間に葬儀仲介会社および僧侶派遣会社が入ることで、高額と思われる仲介および派遣手数料分を含む葬儀料金になっており、決して適正価格とは言えないものです。確かにこれまでは「お葬式は金がかかるもの」と言われているところ、不透明な費用を分かりやすく全国均一にし、莫大な費用で宣伝の結果、業界に革命的な方法で認識を覆し、幅広く支持を取り付けたのが今の仲介葬儀社です。しかし葬儀仲介会社は依頼を受けるだけで実質、施行は下請けの葬儀社に丸投げ状態であると聞きます。
町の葬儀社様にとっても集客もなかなか容易ではない時代、葬儀仲介会社に高額な手数料を支払ってでも生き残りのためには提携せざるを得ない葬儀社様もあると聞きます。しかしながらとある事例では、結果として残ったお金の中から自社での利益を出す為、サービス全体の低下に結びつき、そのしわ寄せが依頼者である皆様方に行ってしまうといったことも危惧されます。 また、葬儀社様だけでなく、庵主自身のお坊さん派遣の経験からについても同じ状況が発生しています。
依頼者が僧侶にお渡しになられたお布施の大半が手数料として吸い上げられているということもあります(中には55%以上が手数料の会社も)。
「布施」とは、本来「施主が僧侶を通じて仏様へお供えする大切な浄財」でもあり僧侶に対する報酬に非ずで、その中から高額な「手数料」を取られるというのも違和感がぬぐえないものであります。
さらに、僧侶派遣に登録している僧侶はあくまで派遣社員の扱いであって、葬儀以降の依頼者との直接的なお付き合いは施主様のご要望があっても固く禁じられ、必ず派遣会社を通じたうえで、四十九日依頼や忌日法要等の会社への貢献度により再び仕事を貰うというシステム化が構築されているのが現状です。それゆえ、僧侶としての認識に欠如した、アルバイト感覚の僧侶もなかには登録しており、苦言を呈される利用者もおられるようです。
そこも仲介会社に紹介される葬儀社様同様、依頼者の見えない怖いところです。もし大切なお葬式に紹介されたとなれば取り返しがつきません。
前置きが長くなってしまいましたが、智運庵では現在、上記のような考えにご賛同・ご提携いただける葬儀社様を現在募集しております。
提携と言っても私達の『みんなのお坊さん 智運庵』は、僧侶がお葬式のご依頼を直接受け、『安心かつ健全なお葬式を提供する』という考えにご賛同いただいた優良な葬儀社様と提携し、依頼者様を相互にご紹介しあう、という極めてシンプルなサービスです。
核家族化により分家独立が多くなってきた昨今、菩提寺を持たない方が急増し突然の不幸に慌てられる方も多く、その中にはお家の事情や経済的事情のある方からの葬儀社様へのご相談も増えきていると聞きます。また、せめて最期にお経を上げてもらいたいものの孤独死等の事由やご身内付き合い等の疎遠によるお骨の引き取りの拒否または不在で、お葬儀や火葬が難渋するというような様々な事例もあります。
しかしながら葬儀社様にとっても、そういった依頼者様の案件は寺院への施行依頼は容易でないばかりでなく、とりわけ金銭的都合に見合うお布施の場合は、寺院への施行依頼もなかなかしづらい場合もあるかと存じます。
当庵では、お布施額は業界最安値を追求しつつ、また分かりづらいお布施の金額も明示しておりますので、寺院依頼の幅が増えるだけでなく、そういった従来の問題もご解消いただけるものかと存じます。冒頭で述べたとおり、真心のこもったお葬式を取り戻し、適正価格で提供したいと考えております。
そのためにはご賛同いただける葬儀社様と提携させていただき、仲介会社にあるような高額な『仲介手数料』なる中間マージンは一切省き、葬儀社様または当庵のどちらかに『依頼のあった際には「紹介料」』として葬儀社様の葬儀費用または当庵のお布施額からの10%をお返しするといったシンプルな提携です。
1割といった紹介料であれば、葬儀社さまにとっても仲介業者を通した手数料にくらべ遥かに負担が少なく、かつ適正価格でサービスに見合うお式が施行できるうえ、ご事情ある方のご相談時には寺院紹介の受け皿の幅も増えるかと存じます。
最後になりますが、葬儀社様のご賛同・ご協力を頂きつつ、古来から大切に先人様達が守り、伝えて来られたご先祖様の有難さをお伝えできる葬儀を展開していきたく、ご賛同・ご提携いただける際はぜひお問い合わせフォームよりご一報いただければ幸甚に存じます。ご相談だけでも構いません。
合掌―
ご提携いただける場合は、こちらよりご一報ください。